二十三、作品(2)

「護身術なら玉を狙って相手が行動不能になってる間に逃げちまうってのもいいけど、殺しが目的の時は腿の付け根の動脈を破裂させるんだぜ。」
「話が怖いですよ。それに、動脈を破裂させるよりも玉を打つほうが難易度が低いでしょう。」
「なら玉をやった後、キッチリとどめを刺しに来ないとだめじゃん。俺おまえがとどめを刺しに来たら返り討ちにしてやろうと待ち構えてたのによ。」
「えっ、なんですか今の話?」
他の連中が話題に食い付いて来た。
「季寧まさか金的を射た?」
「そんな事実はなかった。」
「ギャハハハ、嘘つきだな。」
隊長の野郎、せっかく人が秘密にしといてやろうと思ってるのによ。
「えー、ちょっとマジマジ?」
「どうやってやった?」
「だからそんな事実はなかったって。」
「どうなんですか、隊長?」
「敗軍の将は勇を語らずか? ギャハハハハ。」
「おい季寧お前なんでヤッター仕留めたぞーって言わねえの?」
「しれっと黙っていやがってよお。」
「おっと、季寧くん、英雄になるはずが悪者になっちまったな。俺あ打たれ損だったってわけか。ギャハハハハ。」
「気管からヒューヒュー音たてながら爆笑するのやめて下さいよ。」
なんだよ。せっかくの餃子が美味しさ半減だ。

 その日から隊長は何事もなかったように地獄のしごきを再開した。まだなんとなくゼーヒューいっているが、まあ大事ないんだろう。面倒くせえから放っておくことにする。
 夕方に李隊長がやって来た。ちょうど韓隊長が立ち合いをやっている最中で、李隊長は興味深げにすぐそばまで近寄ってニヤニヤしながら眺めていた。立ち合いを終えて、韓隊長は開口一言
「気が散りますよ。」
と苦言を呈した。
「そんなに意識を集中して兵隊をいじめたいの?」
「いや、いじめが目的ではないんですけど。」
へらへらと笑っている。やっぱ若干はいじめを楽しんでるんじゃねえかと疑う。



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