十七、初めての拉麺(2)

従順な態度でお茶の入った壺のところに歩いて行き、茶葉を選びにかかる。召使いじゃあるまいに、なにしてるんだ、隊長。
「あのお、失礼ですけど、お二人はどういうご関係なんですか?」
「ふつうに友達じゃん?」
「アハハハ、友達以上、恋人未満?」
「いや、以上でも以下でもなく。」
「っていうか異常なんじゃないですか?」
「何が?」
「いや、何がって聞かれると具体的には言えないですけど、なんか異和感ありますよ。」
「ふうん。」
隊長は首をかしげている。李隊長はニヤニヤと笑っている。
「キミもしかして嫉妬してる?」
「いえ。嫉妬っていう語彙おかしいですよ。」
「だってオレ異度くんに結婚申し込んでる。断られたけど。」
「同性で結婚なんかできないでしょう。」
「夢がないねえ。」
「火の気がないんでちょっと一っ走り火を貰いに行ってきます。」
隊長はお茶をいれる湯を沸かすための火を調達しに出て行った。

 火を貰いに行くくらいのお使いなら、俺が行きますって言えばよさそうなものだが、なんとなく隊長と李隊長を二人だけで部屋に置いておくのも気持ち悪いので黙って隊長に行かせておいた。それはいいのだが、俺にしても李隊長と二人きりで部屋にいるのはなんとなく気味が悪い。李隊長は楽しげに干し葡萄をモリモリ食べている。
「それ、お茶うけじゃないんですか?」
「ああそうか。アハハハハ。オレ干し葡萄大好き。」
構わず食べ続けている。まあいいけどさ。
「ねえキミどう思う? オレと異度くんってお似合いだと思わない?」
「何が?」
「だって蘭英らんえいって言葉があるでしょ? オレが李蘭で彼が韓英だよ?」
「ダジャレですか。」
「ダジャレじゃないよ。奇遇だよ。」
「まあ、縁があるように解釈したければ、どんなことでもこじつけられるでしょうね。逆もまたしかりです。」
「やっぱり嫉妬してるでしょう。」
「いえ。不気味なだけです。」
感想をはっきり言ってしまった。しかし李隊長は気を悪くするでもなくニヤニヤしている。



《広告》
ページ公開日: 最終更新日: